胸を柔らかに締めつける、
甘くほろ苦い金木犀のノスタルジー
冷たくなりはじめた秋の空気をときめきで染める、金木犀の香りをフレグランスにできたなら――。
スプレー式の香水が描かれた『ロド』をイメージした調べは、まるで実りの季節からの贈りもの。
成熟してとろけるオレンジとペアーにはじまり、優美なオスマンサスが優しく語りかけるかのようにたゆたいます。
その合間に立ちのぼるローズとフリージアの気配は、フルーティなフローラルで大人にふさわしい深みを。
ラストはパチュリとムスクがしっとりと燻り、触れた人の脳裏に忘れがたい面影を落とします。